前参議院議員 田中しげる

しげるレポート | 田中しげるの活動報告ブログ

[会議録]田中茂 法務委員会(参議院) 2015年4月14日
会議録 2015/04/14

189-参-法務委員会-6号-2015年04月14日-初版

田中茂君

日本を元気にする会・無所属会、無所属の田中茂です。

今日は、裁判員制度について質問させていただきます。

裁判員制度によって死刑判決が言い渡され、高等裁判所がこれを破棄し無期懲役とする二件の強盗殺人事件について、二月三日、最高裁はいずれも上告を棄却しました。

これにより、高等裁判所による無期懲役判決が確定することになるわけです。

また、二月九日は三例目となる決定も下されました。

そのような流れの中では、国民に裁判員制度への不信感を抱かせる可能性もあるのではないかと。

とはいえ、裁判員制度を創設し、国民の感覚を刑事裁判に取り入れようとする、そういう意図は十分に生かされるべきだと、私自身はそう思っております。

そこで、質問なんですが、ここで改めて裁判員制度の趣旨、どのようなことが期待されているのか、お聞かせください。

政府参考人(林眞琴君)

裁判員制度でございますけれども、この導入の趣旨でございますが、これは一般の国民が裁判の過程に参加して、裁判内容に国民の健全な社会常識がより反映されるようになることによりまして、国民の司法に対する理解、支持が深まり、司法はより強固な国民的基盤を得ることができるようになるとの観点から導入されたものでございます。

田中茂君

私もその趣旨には全く同意いたしますが、裁判員制度は平成二十一年五月から施行され、六年目になりますが、最高裁で実施した裁判員裁判の運用に関する意識調査から関係箇所を私が抜粋しまとめたペーパーをお手元に配付しております。

若干、最高裁のアンケートの中身がちょっと分かりづらかったものですから、私の方で関係箇所だけを抜粋しております。

それで、まずお聞きしたいのは、この裁判員制度に関する意識調査の目的は何だったのか、お聞かせください。

最高裁判所長官代理者(平木正洋君)

お答え申し上げます。

裁判員制度の運用に対する国民一般の受け止めや評価をある程度継続的に把握し、今後の運用改善に役立てるために実施しているものでございます。

田中茂君

国民の期待に沿った運用の実現に向けた指針の一つということで理解しますが。

そこで、次の質問なんですが、平成二十六年度のこの意識調査で、裁判員制度への参加意識について、裁判員としての刑事裁判に参加したいかの回答結果を説明していただけませんでしょうか。

最高裁判所長官代理者(平木正洋君)

参加したいが三・六%、参加してもよいが八・七%、あまり参加したくないが、義務であれば参加せざるを得ないが四六・五%、義務であっても参加したくないが四〇・五%、わからないが〇・六%という結果になっております。

田中茂君

つまり、あまり参加したくない、義務でも参加したくないとを合わせると、八七%の人が裁判員裁判参加を望んでいないということになっております。

そこで、義務でも参加したくないの回答結果について、二十一年から時系列で回答結果を説明していただけませんでしょうか。

最高裁判所長官代理者(平木正洋君)

平成二十一年度が三六・三%、二十二年度が四一・四%、二十三年度が四一・一%、二十四年度が四一・九%、二十五年度が四四・六%、二十六年度が四〇・五%となっております。

田中茂君

二十六年度は義務でも参加したくないの回答若干減っておりますが、あまり参加したくないとの合計で見れば年々増加していると、そのように思っております。

特に、女性の方たちの裁判員としての刑事裁判に参加したいのかという回答結果も説明していただけませんでしょうか。

最高裁判所長官代理者(平木正洋君)

参加したいが二・〇%、参加してもよいが四・七%、あまり参加したくないが、義務であれば参加せざるを得ないが四四・五%、義務であっても参加したくないが四七・九%、わからないが〇・九%となっております。

田中茂君

今御説明あったように、女性の方たちは二つの参加したくないを合計すると九二・四%にもなります。

そこで、また二十一年からの裁判員の選任手続期日に出席を求められた裁判員候補者のうち、実際に出席した候補者の割合について回答結果を説明してください。

最高裁判所長官代理者(平木正洋君)

平成二十一年度が八三・九%、二十二年度が八〇・六%、二十三年度が七八・三%、二十四年度が七六・〇%、二十五年度が七四・〇%、二十六年度が七一・五%、二十七年度一月末現在の速報値として六六・八%でございます。

田中茂君

今説明ありましたように、これも毎年減ってきております。

この参加意識が減少している状況に関してどのように考えられているのか、お聞かせいただけませんでしょうか。

最高裁判所長官代理者(平木正洋君)

御指摘の点の原因は必ずしも明らかではございませんが、実際に裁判員裁判を経験した方の多くは肯定的な評価をしておられまして、参加する前のお気持ちと参加した後の御感想に差があるように思われます。

裁判所といたしましては、これまでも国民が参加しやすい裁判を実現するため、迅速で分かりやすい裁判の実現や国民の負担に配慮した選任手続の構築などに取り組んできたところでございますが、裁判員経験者の声も御紹介しながら、引き続き、裁判員制度に対する理解が広がるよう、また、参加する国民の方々の負担ができる限り軽減されるよう努めてまいりたいと考えておるところでございます。

田中茂君

今まさに御説明いただきましたが、刑事裁判や司法などに国民が自主的に関与すべきであるの項目、どのように考えるかという設問に対しては、今までの傾向とは全く違っております。

この刑事裁判や司法などに国民が自主的に関与すべきであるという項目と、裁判員として参加した体験についてのアンケートの回答結果を御説明いただけませんでしょうか。

最高裁判所長官代理者(平木正洋君)

刑事裁判や司法など公の事柄については、国や専門家に任せておくのではなく、国民が自主的に関与すべきであるという考え方について、あなたはどう思いますかという質問に対する回答結果の数値は、そう思うが一八・二%、ややそう思うが三〇・七%、どちらともいえないが二九・八%、あまりそう思わないが一四・七%、そう思わないが六・六%という結果になっております。

また、裁判員等経験者に対するアンケート調査のうち、裁判員として裁判に参加したことは、あなたにとってどのような経験であったと感じましたかとの質問事項について、非常によい経験と感じたとの回答が五七・五%、よい経験と感じたとの回答が三八・四%、あまりよい経験とは感じなかったが一・八%、よい経験とは感じなかったが〇・九%、特に感じることはなかったが〇・八%、不明が〇・七%となっております。

田中茂君

今御説明いただきましたように、確かに裁判員として参加した体験については九五%以上の方が貴重な体験であったとかなり肯定的な評価をされております。

そこで、以上のデータ、御説明からも、国民がなかなか困惑しているのではないかと、そのように私自身は思っております。

この意識調査でも推察できるように、何か手段を講じる必要があるのではないか、このまま放っておけばこれは減る一方ではないかという危惧もありますし、また近年高まっている凶悪犯罪に厳罰化を求める国民の声にどう対処するか、そういうことも考えるべきであると思っております。

確かに、市民感情と厳格な法曹界に身を置く法律家の見解は必ずしも同一ではないと思っております。

しかし、それがゆえの裁判員制度であると私はそう思っておりますので、そのような裁判員制度の趣旨を大前提として、特に死刑という更生の余地を与えない厳罰、極刑を選択する以上、裁判員による判断が過去の事例、判例及び基準と甚だしく相違する場合は、死刑判決の根拠は何かについて十分に説明、説得できるような論拠を示すべきであると、私はそう考えております。

この間、三月三十日付けの産経新聞でも、裁判員を務められた方が、希望者にはせめて刑の確定まで裁判所などの継続的なフォローが必要と言われております。

これは新聞の記事にこう書いてあるんですが。

また逆に、裁判官のみで審判が下される上級審も、裁判員判決の中で十分な論拠が示されている場合は、過去の事例、判例及び基準との均衡というだけで処理するのではなく、国民に対して正面からその問いかけに答えていくことが、今後の裁判員制度の深化というか、深く掘り下げていっていただく、あと発展を考えれば不可欠ではないかと、そのように考えております。

そういう中で、以上のことを踏まえて、裁判員制度の対象とする事案の範囲等も含めて、大臣の今後の方向性、御見解をお伺いいたしたいと思います。

国務大臣(上川陽子君)

ただいま、最高裁が実施されたアンケート調査の結果に基づきまして様々な視点から御質問をいただいたところでございます。

最初のところで御指摘がございました、裁判員の経験をしていただいた方の中で九五・九%の方が参加したことについてよい経験をしたというふうに回答をされているということにつきましては、私自身、やはり充実感を持って審理に御参加いただいていると、ある程度裁判員制度も国民の司法参加制度として定着をしてきているのではないかというふうに理解をしたところでございます。

ただ、実際、裁判員になる前の段階におきましての意識を見てみましても、様々な不安とかそういったことも感じられるような回答結果でございますので、この制度そのものの趣旨、そして目的、そしてそれによっての様々な社会での影響ということにつきましても、やはりこの制度の定着を図る上でも丁寧にそのフォローをしながら取り組んでいく必要があるのではないかというふうに思っております。

法務省におきまして、ホームページなどにおいて裁判員制度専用の窓口を設けて、そして、できるだけアクセスをしていただきたいということで情報の提供をさせていただいているところでございますし、また、全国の検察庁におきましても説明会などを催させていただいて、意識の面でも、また様々な御懸念についても丁寧にお答えしていきたいというふうに思って取組をしているところでございます。

こうしたことをしっかりと重ねながら、この制度そのものにつきましても、多くの皆さんが不安を持たずに積極的に御参加いただけるような環境整備ということにつきましても、また分かりやすい司法制度の在り方ということにつきましても説明をさせていただきながら、この裁判員制度の趣旨が運用の段階でも十全に果たすことができるように更に努力をしてまいりたいということを改めて強く感じている次第でございます。

田中茂君

大臣、ありがとうございます。

大臣も先ほどおっしゃったように、この産経新聞の記事でも書いてありますが、裁判員メンタルヘルスサポート窓口というのが設置されていると、そういうふうに書いてあります。

提携先で五回まで無料カウンセリングが可能で、医療機関の紹介も受けられると。五回とも言わず何度もカウンセリングができるようにしていただきたいと思うのと、この調査を実施した共同代表世話人の方が、長期的視野で心の負担のケアについて議論し、体制を整える必要があると、そのようにこの記事では書いてありますが、私も全くそのとおりだと思っております。

なるべくこの裁判員制度を長く続けさせるためにも、このようなケア体制を十分に整備して、裁判員になられた方が活用できるような体制を是非ともつくっておいていただきたいと、そのようにお願いして、私の質問にさせていただきます。

ありがとうございました。

日本に生まれ育ち、一生を過ごしたいと言える「誇りのもてる国」
ページトップへ