前参議院議員 田中しげる

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自民党総裁選と安倍外交 – パートⅠ
自民党総裁選と安倍外交 – パートⅠ
レポート 2018/07/12

西日本豪雨の被害に遭われた皆様に心よりお見舞い申し上げます。

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「自民党総裁選の不思議」

自民党結党以来、総裁任期は何度か変更され、特例が設けられたりしてきました。しかし、総裁の任期中に、自らも適用を受けられるように任期が変更されたのは、今回が初めてではないでしょうか。これまで3年2期、つまり6年だった最長の任期を、3年3期の9年に変えました。これは最長の任期が4年2期、8年のアメリカより長いことになり、中国は別として先進国の中では、ロシアの12年に次ぐものではないでしょうか。
権力の長期化が何をもたらすかは明白です。19世紀イギリスの歴史家であり、政治家だったジョン・アクトンは、保守主義の父といわれるエドマンド・バークの哲学を継承し復活を試みたことで知られますが、「権力は腐敗する、絶対的権力は絶対に腐敗する」と述べているとおりでしょう。

安倍首相が自民党総裁として再選された場合は、2021年秋までの任期となります。その間に国内では、今上天皇の退位、新天皇の即位、新元号の開始、消費税率10%への移行、東京オリンピックの開催など、歴史に名を残す国家的なイベントが目白押しです。
政治家なら誰しもその名を歴史に刻みたいと思うのは分かりますが、問題は何を為してその名を残すかです。

安倍首相がやりたいことは一体何なのでしょうか?アベノミクスによる経済の建て直しは、金融緩和と財政出動を行ったものの、最も重要な「成長戦略」が実現できていないという点で失敗であると判断せざるを得ません。確かに数値面だけを見れば、企業業績は好調で設備投資も拡大し、人手不足から求人倍率も高くなり、戦後2番目に長い景気回復期間が続いていますが、それを実感できない人が多いのではないでしょうか。景気が本当に回復し家計への分配が増加したのであれば、2度にわたる消費税率アップの延期はなかったでしょうし、日銀による物価の2%アップの見通しを6度も延期し、さらには見通しすら出さなくなったという状況は生まれなかったでしょう。来年の秋に消費税率が10%になったとき、さらに2020年のオリンピック後はどうなるでしょうか? 景気悪化の不安は常に付きまといます。しかし、景気浮揚に効果的な強力な政策が出ているわけではありません。放っておけば、景気回復の実感とは程遠く、さらに消費は冷え込むことでしょう。

憲法の改正についてはどうでしょうか?憲法9条の2項を変える方針のようですが、その後の進展については不明のままです。憲法改正が政治テーマだとするなら、改正の機運を国民の間に高めることが最初にやるべきです。それを突然、一番難しい9条に焦点をあて、ここを変えたいというのでは、数のおごりといわれても、また国民投票をやってみたかっただけといわれても仕方がないでしょう。
憲法改正を望む人は以前よりも増えていると思われます。(2017年に行われた各新聞社の世論調査によると、各社によって差はあるもののほぼ過半数が国民投票に賛成しています。)自分が総理総裁のうちにというなら、なおさら慎重に議論を重ね、少なくとも改正への道筋と、変える理由とその結果がどうなるのか、それこそ「丁寧」に国民に示して理解を得るべきでしょう。
長い間権力の座にあるにもかかわらず、さらに3年間の延長を前にして、安倍首相が何をやりたいのかが見えてきません。

歴史に名を残したいがために首相になったとは思いませんが、一体、安倍首相はこの日本国をどのように導こうとしているのか、世界の主な国々とどのような関係を築こうとしたいのか、何よりも日本の国家像をどのように描いているのか、憲法改正後どのような国家を目指すのか、全くもって理解出来ません。今の日本は正に海図のない航海を漂流している感じがします。

日本に生まれ育ち、一生を過ごしたいと言える「誇りのもてる国」
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