前参議院議員 田中しげる

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[会議録]田中茂 法務委員会(参議院) 2015年9月10日
会議録 2015/09/10

189-参-法務委員会-20号-2015年09月10日-初版

田中茂君

日本を元気にする会・無所属会、無所属の田中茂です。

今日は司法試験漏えい問題について、大分皆さんとの質問も重なってきますのですが、先ほど大臣の答弁をお聞きしていますと、これ、刑事告発されていることもあり、大臣の答弁も限定されてきておりますので、私は、今日は一般質問ということもあり、別件について質問させていただきます。

ただ、今回、やはりこの司法試験制度又は司法制度全体を揺るがす、根幹を揺るがす重大事件でもありますので、一点だけ、この司法試験漏えい問題について質問させていただきます。

この司法試験委員会、七名のメンバーだと思うんですが、あと考査委員メンバー、約百三十人、この構成を見ると、まだまだ問題点があるのではないかなと。その構成をしている人たちを見ますとですね。

そこで、二〇〇七年の慶応での問題で検討された再発防止が全く機能していなかったわけで、作問を担当する考査委員の選任方法や在り方の抜本的な見直しを考えるべきだと思いますが、その点、大臣の御見解をお聞かせいただけませんでしょうか。

国務大臣(上川陽子君)

今回の事案が発生するということの際に、やはりこれにつきましては、過去そうした事案があり、また再発防止についても対策を講じてきたと、しかし、それにもかかわらず再び発生してしまったということについては、大変重大な問題であるというふうに受け止めさせていただきました。

そこで、再犯防止策を含めまして、事態のしっかりとした究明を図るということも併せて、このグループ、ワーキングチームを立ち上げるということにつきましては、客観的にも十分にしっかりと公正なものであるような形になるように進めていかなければいけないというふうに思った次第でございます。

そして、考査委員の任命につきましての選任の仕方そのものにつきましても、このプロセスの中で問題があるというふうであるならば、しっかりとそれに対しても対応策を講じなければいけないと、こういう問題意識を持って臨んでいるところでございます。

ただいま委員からも様々な御指摘があり、また、かつてもそうした御指摘があったということも承知をしているところではございますが、予断を持つことなく、しっかりと取り組んでいこうということでまいりたいというふうに思っております。

田中茂君

先ほども言いましたように、この問題は司法制度全体の根幹を揺るがす大問題でありますので、単なるワーキンググループをつくるというのではなく、実りある、ワーキンググループとして成果が上がるような、そのような報告を是非とも私は受けたいと思っております。

次に、私は別件と言いましたが、実は例の寝屋川の中学一年生の男子生徒と女子生徒が殺害され、発見され、被疑者も逮捕されたと、この件であります。

私の見聞はメディア報道のみで、現段階で断定的なことは言えませんが、被疑者は二〇〇二年にも同様の事件を起こして何度かの逮捕歴があったと聞いております。

過去の事件では命を奪われるには至りませんでしたが、今回の犯行はより凶悪化し、悲惨な結果となったわけであります。

これを見ると、逮捕後の更生が機能しているのかと疑わざるを得ないわけであります。

一般に、異常性愛犯罪の再犯率はかなり高いと聞いております。

このような犯罪者からは断固として健常者を守らなければならない。

特に、幼い子供たちに対しては、親はもちろんですが、周囲や地域も一丸となって守るべきであると考えております。

このような事件が起こるたびに、米国、イギリス、韓国等での犯罪者情報公開法、いわゆるミーガン法ですが、の導入が言われます。

この件は平成十七年頃から法務委員会でも何度も何度も繰り返し質問されていますが、こういった法制度が導入されたからといって、性犯罪の防止や再犯防止にどの程度効果的であるかという点は確かに議論の余地はあると思います。

また、このような再犯防止策が犯罪者の社会復帰を妨げているという批判もあるのは承知しております。

しかし、このような犯罪を未然に防ぎ、被害者をできる限り少なくしていくのは当然であります。

また、異常性愛犯罪者に対する更生という観点からも、全体的な見直しと厳格化が必要ではないかと考えております。

そこで、去る三月二十六日の法務委員会で私は性犯罪者に対するGPS監視等についても質問をしておりますが、その際に政府参考人から、我が国においても受刑者処遇プログラムとして平成十八年から刑事施設において性犯罪再犯防止指導等を導入しているとの説明を受けております。

これが一体どのような指導を行われているのか、具体的にお聞かせいただきたいと思います。

政府参考人(小川新二君)

刑事施設におきます性犯罪再犯防止指導につきましてお尋ねをいただきました。

まず対象者の選定でございますが、強制わいせつ、強姦等の性犯罪を行った受刑者につきまして、再犯につながる問題性の大きさなどを判定いたします。

そして、常習性、反復性が認められるなど、性犯罪の原因となる認知の偏りや自己統制力の不足等がある者を選定いたしまして、性犯罪再犯防止指導を行っているところでございます。

実施体制でございますが、平成二十七年度現在で十九庁の刑事施設において実施しておりまして、性犯罪につながる問題性に応じまして、高密度、中密度、低密度のいずれかのプログラムを受講するかを決定しております。

高密度につきましては八か月にわたりまして全六十五回、中密度につきましては六か月間にわたりまして全五十四回、低密度につきましては三か月にわたりまして全十七回の指導を行っております。

指導内容でございますが、欧米諸国におきまして実施され効果が認められております認知行動療法等の手法を取り入れて作成したプログラムに基づいて実施をしております。

指導方法でありますが、同様の問題性を持つ者を数名の集団に編成いたしましてその問題について話合いを行わせるグループワークを用いております。

性犯罪の背景にあります自己の問題性を認識させ、その改善を図るとともに、再犯しないための具体的な方策を習得させることを目標として実施しているところでございます。

田中茂君

その指導者というのはどういう方たちがやっていらっしゃるんでしょうか。

また、先ほど高密度、中密度、低密度とおっしゃられましたが、その期間というか、それには何か、それ以上掛かる人もいれば、その辺の判断は難しいとは思うんですが、どういう判断でされているんでしょうか。

政府参考人(小川新二君)

指導の実施者でございますけれども、刑事施設の職員が担当する場合もございますし、また、認知行動療法等の技法に通じました臨床心理士の方にお願いをしまして、処遇カウンセラーとして協力をいただいたりもしております。

また、プログラムの内容の関係でございますけれども、一応標準的なプログラムを作っておりまして、指導の回数や期間につきましては先ほど申し上げたとおりでございますけれども、まず最初にオリエンテーションを行いまして、それから、本科といたしまして、先ほど申し上げた高密度、中密度、低密度という指導を行いまして、さらに、指導を行った後にメンテナンスということでフォローアップも行っているところでございます。

田中茂君

それでは、ちょっと別の観点からお聞きしたいんですけど、過去において、あらゆる性犯罪に関して、性犯罪の全体数に対して、再犯を繰り返している割合を教えていただけませんでしょうか。

また、性犯罪で保護観察中に再犯した割合も教えていただければと思います。

政府参考人(髙嶋智光君)

お答えいたします。

平成二十六年版犯罪白書というのがございまして、この中で、平成二十一年に刑事施設を出所した受刑者のうち、平成二十五年までの五年以内に再犯により再び刑事施設に入所した者の統計を取っております。

これによりますと、当初の刑務所の入所が強姦罪で入った者につきましては、この五年以内に一六・九%が再入所をしております。

三百九十七人中六十七人でございます。

それから、最初の入所が強制わいせつ罪の者につきましては、二九・一%、これ三百八十一人中百十一人でございました。

また、もう一つの質問であります保護観察中に更に再犯を犯した人数でございますが、これはちょっと統計の取り方がまた別口なのでございますが、同じく平成二十六年度の統計では、保護観察が開始した際の非行罪名が強姦罪、これは強姦致死傷罪を含みますが、強姦罪、強盗強姦罪、それから強制わいせつ罪、この強制わいせつ罪につきましては強制わいせつ致死傷罪を含みますが、このいずれかに該当する者で、平成二十六年に保護観察が終了した者は九百五十一名でした。

このうち保護観察期間中の再犯、再非行により新たな処分を受けた者は七十五名でありまして、さらに、そのうち、その再犯罪名が性犯罪であった者は二十一名でございました。

田中茂君

その人数が多いか少ないかというのは人によるんでしょうけど、結局、再犯やっている人たちもかなりいるわけであります。

このプログラムが効果があるのかどうかは別としても、性犯罪の再犯防止がなかなか困難であるならば、人権的観点とか維持管理コスト面でも難しいと思われているGPSによる監視等による抑止力も必要ではないかと、そろそろ真剣に検討すべきではないかとも思っております。

GPSを含む位置情報確認制度は、英国、フランス、ドイツ、スウェーデン、米国、カナダ、あと韓国でも運用されております。

大臣は今国会の所信表明で、「犯罪に戻らない・戻さない」宣言をされました。

その趣旨は理解しますが、何よりも罪のない子供たちをこういった異常性愛犯罪者の被害に遭わせることが二度とないように再犯防止に効果的な制度をなるべく早く導入すべきと考えておりますが、この点について大臣の御見解をお聞かせください。

国務大臣(上川陽子君)

ただいま委員から御指摘いただきました幼い子供たちが性犯罪の犠牲になるというようなことについては、二度と起こしてはならないと、そういう意味での再犯防止については極めて重いテーマということでございまして、しっかりと取り組んでいかなければいけないと思っております。

先ほど御指摘のGPS装置の装着等の義務付け制度ということで、海外調査もいたしたところでございますが、やはり何よりもエビデンスベースのしっかりとした検証も必要であるという認識をしておりまして、そうしたことも踏まえまして、様々な問題あるいは視点から検討を更に慎重にしていく必要があろうかというふうに思うところでございます。

こうした御指摘いただきました問題点につきまして、また性犯罪に対する処遇ということにつきましても、施設内におきましての様々な取組ということについては力を入れてきているところでございまして、その再犯防止を図るためには総合的にしっかりと取り組まなきゃいけないということでございます。

その意味で、GPSの各国における取組につきましても、その検証をしっかりとまたフォローさせていただきながら、またその大きな対策の一つとしての御提案ということでございますが、検討に付したいというふうに思っているところでございます。

田中茂君

質問でも言いましたが、「犯罪に戻らない・戻さない」という言葉どおりに、罪のない子供たちをこういった異常性愛犯罪の被害者に断じてさせないという決意の下で再犯防止に臨んでいただきたいと、そう思っております。

そこで、今回の司法試験漏えい問題の件でありますが、言語道断であり、司法を担おうとする人がこういった姿勢で受験に臨むというのは信じ難いと、そう思っております。

ですが、一方で、私が本年六月十一日の法務委員会で質問したように、法科大学院の生徒不足や司法試験受験者の減少等の状況を考えれば、大学側としては一人でも多くの学生を確保し、合格者を一人でも増やしたいはずであります。

また、たとえ作問できる人材がいないとか様々な理由があるにしろ、学生とじかに接し、教え子だったらなおさら合格してほしいと思うのは、人情的にも理解ができるところであります。

このように利害が重なる大学の教官を試験に関わらせること自体に問題があるわけで、根本からの改革をすべきだと、先ほども言いましたように、私はそう思っております。

考査委員の遵守事項の違反者に対しては罰則もなく、司法をつかさどろうと考える人が試験問題の漏えいを考えるとは想像だにはしないと、司法試験の出題者がそんなことをするとは考えてもいなかったとか、そういう性善説ではこの問題の本質性を見失うわけであります。

法務省として、断固とした姿勢で本件の背景を含めた調査と処罰、明確な再発防止を、先ほどワーキンググループをつくるとおっしゃっていましたが、是非とも考えていただきたいということで、私の質問を終わりにします。

ありがとうございました。

日本に生まれ育ち、一生を過ごしたいと言える「誇りのもてる国」
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