元参議院議員 田中しげる

しげるレポート | 田中しげるの活動報告ブログ

寒中お見舞い
レポート 2024/01/17

寒中お⾒舞い申し上げます。

 2024年は元⽇の能登半島地震で始まり、2⽇の⽇航機・海保機衝突事故と悲しい出来事が続きましたが、この地震と事故でお亡くなりになった⽅々のご冥福を衷⼼よりお祈りします。また被災された⽅々には⼼からお⾒舞い申し上げます。

 今年1年が如何なる年になるのか、先⾏きに不安を持たれた⽅々も多いと思います。
 今年の⼲⽀は「甲⾠」です。”⿓”は⻯巻や迅雷などの⾃然現象を起こす⼤⾃然の躍動を意味するそうです。今からの1年間、再び⼤地に⼤きな躍動、地震が起こらないことを願うばかりです。

 ところで、中曽根康弘先⽣が逝去されて既に4年になります。リスク管理・危機管理を常に考えていた中曽根先⽣が、現政府の震災への対応を⾒たらどう思われるか、答えは明らかです。
(2023 年 9 ⽉ 1 ⽇投稿の「政治の中枢の第⼀義的警戒⼼ ⾃然災害、⼤地震へのリスク・危機管理は?」をご参照ください)

 中曽根先⽣が亡くなられた2019年頃から、世界は⼀層⽬まぐるしく変化してきました。
 昔は5年後10年後の⽇本と世界の姿を思い浮かべつつ、それを⽬指して邁進したものですが、最近は1年後どころか、半年後の⽇本と世界を思い描くことも難しくなりました。
 その原因は、パンドラの箱が開いたかのように、世界中で勃発している終りの⾒えない武⼒衝突・紛争、複雑化している戦争、変異を繰り返すコロナとその他の疫病の蔓延、異常な気候変動と天変地異、そして進化し続けるAIの影響等々、数々の難問が噴き出しているからかもしれません。パンドラの箱のように、果たして最後には希望が残っているのか…。

 ⽇本の政治をみるならば、⼩選挙区⽐例代表並⽴制に関連する弊害が顕著に現れています。政治の劣化は以前から⾔われていたことですが、なかでも、中曽根先⽣が最後まで反対していた⼩選挙区⽐例代表並⽴制・政党助成⾦が導⼊されて以来、⽇本の政治は急激に劣化が進んでいます。
(2021 年 10 ⽉ 4 ⽇投稿の「⽇本政治の変化〜選挙制度」、同年 11 ⽉ 9 ⽇投稿の「⽐例代表並⽴制の問題」をご参照ください)

 先⽇、⾃⺠党では政治刷新本部の初会合がありました。派閥存否の議論をしたようですが、パーティー券販売による”裏⾦作り”にしろ派閥からの”餅代”にしろ、本質的問題は”お⾦”です。当然、政治資⾦規正法を厳格化する根本的な改正をすべきでしょう。
 本来、政治家の活動は⾃由であるべきですが、残念ながら⼀部の悪質な政治家のため法律で規制せざるを得なくなります。このFacebook でも「実践理性批判」の最後の⼀節を何度も紹介しているように、中曽根先⽣はカント哲学に傾倒されておられました。再度、ここで先⽣の著書「⽇本⼈に⾔っておきたいこと」(PHP 研究所)の中の⽂章を紹介しておきます。
「『繰り返し、ずっと反省すればするほど常にそして⾼まりくる感嘆と崇敬の念をもって⼼を満たすものが⼆つある。わが上なる星の輝く空と内なる道徳律である。』
私は、このカントの教えに沿って生きてきたといえるかもしれない。それは私が立派な人格を備えていたという意味ではない。誰にでも⾃らの⾏動を律するとき、わが内なる道徳律が存在し、私もそれに従って⾏動してきたにすぎないということである。
私は多くの過ちを犯したかもしれないが、⼈間の深奥に道徳律があるということについて、根本的に疑ったことはなかった。そして、⼈類が⼈類としてお互いに話し合い、理解し合えるのはそうした普遍的なものとしての道徳律を共有するからであると信念のように思っていた」と、政治家(人)としての”⾃由”な活動を守る基本姿勢を記されています。
 最近の⾃⺠党は、衆議院・参議院議員379名という議席を得て、慢⼼、尊⼤、傲慢があったのでしょう。⾃⺠党⾃体が「権⼒の魔性」に取り憑かれていたのかもしれません。
(2022 年 4 ⽉ 1 ⽇投稿の「権⼒の魔性」をご参照ください)
 以前 Facebook でも紹介したように、政治家には透徹した”哲学”と、ほとばしる”熱情”を持って政治に臨んでいただくことを希望しています。

日本に生まれ育ち、一生を過ごしたいと言える「誇りのもてる国」
ページトップへ