株式会社ライフコーポレーションは１１月７日、スーパー『ライフ』の創業者である清水信次名誉会長が、１０月２５日に老衰のため死去したことを発表しました。９６歳でした。
　
　心よりお悔やみ申し上げます。　

　中曽根康弘先生が、日韓協力委員会の会長を務められていた時期に、清水会長は、委員会の理事長を務められていました。そんな関係もあり、月に２回ほどライフの会長室があった日本橋室町にある事務所を訪ねていました。会長からは、よく会長の生い立ちからライフを立ち上げるまでの話、当時から現在までの政治の話、政治家の人物月旦等々を伺いました。
　中曽根先生はよく色紙を書かれていましたが、ある日筆を置くと私に見せ、にやりと笑い「どうだ？」。色紙には「人生、みんな途中下車するけど、俺は途中下車しない」とありました。「先生らしい言葉じゃないですか」と応えました。当時、中曽根先生は９０歳、清水会長は８２歳だったと思います。
　ある日、清水会長にお会いした時、その色紙の話をしました。すると会長が、「私の励みにもなるので、ぜひ、私にも書いていただけないか？」と頼まれました。先生に事情を話しますと、先生は新たに色紙を書いてくださり、それを清水会長にお贈りしました。
　色紙は「ライフ」の会長室に飾られました。清水会長によれば、「色紙の文言を読むたびに、奮い立たせられる」とのことでした。その話を先生にしますと、笑いながら「そうか…」と嬉しそうでした。
　先生は１０１歳、清水会長は９６歳、まさに大往生を遂げられたと思います。

　中曽根先生は、「今を生きることが人生だと思っている」とよくいわれました。清水会長の死を心より悼むと同時に、肝に銘じたいと思います。