前参議院議員 田中しげる

しげるレポート | 田中しげるの活動報告ブログ

[会議録]田中茂 外交防衛委員会(参議院) 2014年10月28日
会議録 2014/10/28

2014年10月28日外交防衛委員会pdf

田中茂君

それでは、質問をさせていただきます。

先日の私の質問で、憲法解釈の変更を含む安全保障政策の見直しなど日本の方向性や立ち位置を決めるときは、本来先に国民主権を代表する国会で十分審議を尽くして決定すべきであると考えますが、その点どのように認識されておるのかお聞かせいただきたいと思いますという箇所につきまして、先日お答えをいただいておりませんでしたので、繰り返しになりますが、改めて大臣の見解をお聞かせいただきたいと思います。

と同時に、一方で、十月二十八日の共同通信の記事によると、アメリカ政府当局者が二十二日までに、日米両政府が今年末の改定を目指して作業を進めるガイドラインについて、安倍政権が閣議決定した集団的自衛権の行使容認を受け、自衛隊の活動を具体的に盛り込むため、来年四月前後にずれ込むこともやむを得ないと認識を示した、新指針決定に際し、外務・防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会、2プラス2を開催するとも述べた、日米が合意した今年末の改定時期に関し、米国は最近、最終期限ではなく目標とし、越年を容認する姿勢を示しているが、来年四月前後という具体的時期が示されたのは初めてとありました。

米政府は、アメリカ政府は来年四月以降と示唆していますが、これについて日本側は同意しているのでしょうか。

その場合には、先に国会で審議を尽くした後で、ここにあるように自衛隊の役割等についても具体化するという方向性で考えているのか、見解をお伺いしたいと思います。

国務大臣(岸田文雄君)

まず一点目の、安保法制の議論において国会での議論が重要だという認識についてどうかという御質問に関しましては、この安保法制をめぐる議論、振り返りますと、第一次安倍内閣のときから議論が始まり、七年にわたりマスコミも含め様々な議論が積み重ねてこられました。

そして、この度、五月中旬に安保法制懇から提言が行われたわけですが、その後も多くの議員の皆様から国会において様々な質問をいただいてまいりました。

そして、政府としましても、具体的な事例を挙げながら丁寧に説明に努めてきたわけであります。

そして、この議論につきましては、引き続き安保法制を整備する議論がこれから想定されますので、丁寧に国会での議論に努めていかなければならない、このように考えております。

そして、このガイドラインの見直しの時期について御質問をいただきました。

御指摘のようなガイドラインの見直しの時期、来年四月までずれ込むというようなことにつきましては、そのような方針、決定したことは全くございません。

政府としましては、昨年十月、2プラス2におきまして、局長級の日米防衛協力小委員会、SDCに対しまして、二〇一四年末までに作業を完了することが指示されているということを受けて作業を続けているところであります。

引き続きまして、この日米で合意されたスケジュールの下、今回の中間報告で示された枠組みと目的に沿ってガイドラインの見直しを進めていく方針であります。

そして、その際に、このガイドラインの見直しと国内法整備、これはしっかりと整合させていくことは大変重要であると認識をしているところでございます。

田中茂君

憲法解釈の変更を含む集団的自衛権という問題が閣議決定したのは、ついこの間であります。

七年前からずっと議論をされているということですが、今回、集団的自衛権という憲法解釈を含めた安全保障、総合的な政策の見直しになるわけです。

そういう中で、国会で審議をしないということがどうかということで私は疑問を呈したわけであります。

次に質問を移させていただきますが、前回の委員会で新ガイドラインの中間報告の韓国への事情説明の件で質問をしましたが、この件で再度質問させていただきます。

韓国を訪問したラッセル米国務次官補とシアー米国防次官補は、韓国外務省で尹炳世外相、李京秀次官補と会談し、ガイドラインの再改定へ向けた中間報告について事前に説明したとの報道がありました。

韓国聯合ニュースでは、ラッセル氏が、我々の考え方と計画を韓国側と共有できる機会を持ったと説明、日本も適切なルートを通じて直接やり取りしていると知っている、これは我々が進めるアジェンダについて重要なパートナーである韓国が全体像を見ることができるようにするはずだと語り、ラッセル氏とシアー氏は、ガイドラインの再改定は米日関係を強化するだけではなく、地域全体の平和と安定も強化するとして、この議論の過程で韓国と緊密に接触するとの方針を強調したと報道しております。

そこで、質問なんですが、先日の宇都政務官の御答弁で、これまでも我が国の安全保障政策全般に関して関係各国に丁寧に説明を行っているとありましたが、安全保障政策全般との話ではありますが、関係各国とはどこの国か、教えていただければと思います。

副大臣(城内実君)

田中委員の御質問にお答えいたします。

関係各国はどこの国かという御質問がございましたが、我が国の安全保障政策につきましては、これまで安倍総理や岸田外務大臣の外国訪問、要人との会談等の機会を捉え、東南アジア諸国始め関係各国に対して直接かつ丁寧に行ってきているところでございますし、また、米国を始め欧州各国に対しても説明し、理解と支持を得ているところであります。

一例を幾つか挙げますと、例えば今月二十三日に行いました日・シンガポール外相会談におきまして、シャンムガム外務大臣から積極的平和主義の支持が改めて表明されたところでありますし、また首脳レベルでも、九月に首脳会談を行ったインドやバングラデシュ、スリランカを始め多くの国から支持と歓迎を得ているところであります。

また、総理レベル、外務大臣レベルではなくて、 各国の外務・防衛当局との事務レベルにおける、日本における、向こうの方が日本に来て行われている協議、あるいは我が方の在外公館を通じて、例えば大使から先方の外務省の事務次官とか、あるいは政務担当公使から先方政府の局長等、様々なレベルで説明を行ってきているところでございます。

いずれにしましても、我が国の平和国家としての根幹は不変であることを含め、引き続き、各国に対しまして丁寧な説明を行っていく所存であります。

田中茂君

ありがとうございます。

もちろん、関係各国、ASEAN、ヨーロッパ、欧米諸国全てに対して丁寧に説明していくというのは大事だとは思っております。

一番大事なのは周辺国でありまして、先週二十二日の新聞によると、谷内国家安全保障局長が訪韓し、金寛鎮国家安全保障室長と会談し、ガイドライン見直しを説明したとありました。

谷内局長に対して金氏は、周辺国の懸念を反映し、透明性を持って行われるべきだと求めたと新聞報道でありました。

宇都政務官の先日の御答弁では、韓国とも適切に説明を行い御理解いただいたと思っているとのことでありましたが、少々ニュアンスが異なっているように思われますが、この点、御説明いただければと思います。

政府参考人(山和之君)

お答え申し上げます。

御指摘のとおり、谷内国家安全保障局長は、十月二十一日、二十二日にかけまして韓国を訪問し、金寛鎮国家安保室長と会談を行いました。

会談におきましては、日韓双方の安全保障政策、北朝鮮情勢、日韓関係全般等についての意見交換を行っております。

谷内局長からは、韓国側に対して、我が国の安全保障法制の整備や日米ガイドラインの見直しを始めとする我が国の安全保障政策についての立場の説明を行っております。

また、日本が平和国家としての歩みを続けるということについては変わらないこと、日米同盟の進展は日韓両国の安全保障に資するという点につきましても、ガイドラインの関係もございまして、強調したところでございます。

また、今回の谷内局長と金室長の会談は、日本で国家安全保障会議及び保障局が創設されて以来、両者の会談は初めてでございましたので、今後、両者間の安全保障対話を継続していくことで一致をしております。

日本の安全保障局と韓国の国家安保局のトップ同士の会談を今後継続していきまして、日米間の協力等も説明しつつ、両国間の安全保障政策についての理解を深めていきたいというふうに考えております。

田中茂君

ありがとうございます。

朝鮮半島情勢は極めて不安定であり、急変することもあり得ると思っております。

ラッセル、シアー両氏が、ガイドラインの再改定を地域全体の平和と安定を強化するとも言っているように、韓国とは様々な問題があるにせよ、安全保障上においては常に密接に連絡、相談できるような体制を確保しておいていただきたいと思っております。

次の質問は、前回の質問時に中断したので、再度質問させていただきます。

米国九・一一事件後のイラク戦争に関して、大量破壊兵器の存在が侵攻の理由でありました。

去る十月十五日、大量破壊兵器のうち五千発以上の化学兵器が発見されたことを米国防総省は認めましたが、結局、核兵器等の大量破壊兵器は見付かりませんでした。

当時の小泉元総理は国会で、大量破壊兵器があるとブッシュ大統領と同じ主張をしましたが、日本が独自に大量破壊兵器の存在をチェックすることができたのか大いに疑問であり、日本の場合は情報収集ができる範囲が限定されていると考えております。

そこで、質問なんですが、今回の見直しとして問題になるのは、日米協力の範囲が広がることであり、米国の要請に対し自衛隊の活動が広がっていく可能性は当然出てきます。

さらに、次回の派遣は、人道支援のような後方支援ではなく、戦闘地域になるかもしれないし、戦うこともあるかもしれません。

主権国家として、その地域に対する独自の情報、的確な分析力、また与えられた情報に対する検証力がなければ、情報に対する裏付けもないままに米国の言いなりになるおそれもあり、そのようなことで自衛隊を守り、我が国の国益を守ることができるのか、御見解をお聞かせいただきたいと思います。

外務省と防衛省、それぞれからでお願いいたします。

副大臣(城内実君)

田中委員のまさに我が国として独自の情報収集力、分析力、検証力というのをしっかり備えるべきだという、そういった認識については共有するものであります。

我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中、まさに自衛隊の活動を含む我が国の海外における活動に当たり、情報収集、分析をしっかり行うことは不可欠であります。

外務省としては、世界全体に百三十六の大使館と六十の総領事館を設置しております。

そうした中で、幅広い情報源や人脈を有効に活用しております。

外務省の強みであるこれら在外公館を通じて、常日頃から情報収集、分析の強化を行っているものであります。

多様な情報を収集するため、地域情勢や言語に通じた専門家の育成、公刊情報の活用、治安情報機関を含む各国関係機関との、いわゆるインテリジェンスですね、との関係強化等の取組を今後とも一層強化していく考えであります。

これらの活動を通じて、外務省といたしましても、引き続き我が国独自の情報収集・分析能力の強化に努めてまいる所存であります。

政府参考人(黒江哲郎君)

防衛省の情報活動について御説明申し上げます。

防衛省におきましては、地上の通信所でありますとかレーダーサイト、あるいは艦艇、航空機の各種センサーといったものを中心に情報収集を行いまして、これを軍事的知見を背景にして分析評価を行うという、そういう活動を行っております。

他方で、先生御指摘のように、我が国から遠く離れた地域におきまして、相対的に我が国独自の情報収集の能力というものに制約があるというのは、これは事実でございます。

そのため、我々としましては、自衛隊を海外に派遣する際には、防衛駐在官によるものも含めまして、先ほど外務省から御説明ございました在外公館を通じた情報収集あるいは商用の衛星画像データ、公刊情報、あるいは同盟国を含めました各国の情報機関などとの情報交換、こういったものを通じまして、その地域の情報収集に努めると。

さらに、現地に事前に調査チームを派遣をいたしまして現地情勢を直接把握するといったようなことに努めておるわけでございます。

また、当然のことながら、部隊を派遣した後は、こういった情報収集を継続をいたしまして、派遣部隊自らも、現地政府あるいは現地住民、あるいは他国からの派遣要員といったものからの情報収集を行いまして、非常に変化をする情勢といったものに適切に対応できるようにというふうに努めておるところでございます。

ただ、もちろん、これにつきましては、今後も防衛省といたしまして、こういった情報の重要性というのを受け止めて、引き続き、我が国独自の情報収集能力の向上といったものに努めていきたいと、こういうふうに考えてございます。

田中茂君

ありがとうございます。

過去の事例を見れば、まあ三十年ほど前ですが、大韓航空機事件でのソ連機とソ連地上司令所との交信傍受能力、かなり日本は優れたものが、まあ三十年以上も前にもかかわらずあったと思うんですね。

日本周辺に関して情報収集能力が優れたものがあるにしろ、日本の極東ロシア軍の情報、確かに米国にもかなり貢献しているとは思っておりますが、遠方の、特に中東付近の情報はやはり米国に頼らざるを得ないというのは先ほどのお話でもあったとおりだと思っております。

しかしながら、正確な情報を、あらゆる情報を持ち寄り突き合わせることによって初めて立体的な像が描かれてくると思っております。

少なくとも、各省庁間での情報共有の仕組み、これは国家安全保障会議でやっているのかもしれませんが、あらゆる情報を選択、分析し、できるだけの対処をしていただきたいとそう思っております。

また、先ほどの御答弁で、防衛駐在官からの情報とのお話もありましたが、後ほどこの件に関しても質問させていただきたいと思っております。

次に、その情報に関連して、もう一点お聞かせいただきたいと思います。

今回の中間報告には、宇宙やサイバー空間での対応が盛り込まれております。

確かに情報システムを守らなければ国の中枢が麻痺しかねないというのは理解できます。

新しい安全保障の急所であり、この面での具体的な日米の防衛協力は何なのか、現状はどのようになっているのか、さらに、米国からの具体的な要求はあるのか、お聞かせいただきたいと思います。

政府参考人(黒江哲郎君)

中間報告の中におきます宇宙及びサイバー空間についての御質問でございますけれども、今回の報告の中でも触れておりますとおり、日米両政府共に、宇宙及びサイバー空間の利用及びこれらの自由なアクセスを妨げる可能性のあるリスクが拡散しておる、こういった状況がより深刻になっておるという、そういう認識をいたしてございます。

このため、こういった宇宙、サイバー空間といった新たな戦略的な領域におきます安全保障上の課題に対して、これに切れ目なく、実効的かつ適時に対処する、これによりまして宇宙、サイバー空間の安定、安全を強化するといった、そういう目標を日米両政府間で共有をするということを明らかにしておるわけでございます。

これに基づきまして、具体的な記述としましては、中間報告の中で、宇宙につきましては、宇宙の安全かつ安定的な利用を妨げかねない行動や事象及び宇宙における抗堪性を構築するための協力方法、これに関する情報共有といったもの、さらに、サイバー空間についての協力ということにつきましては、平時から緊急事態までのサイバー脅威及び脆弱性についての情報共有並びに任務保証のためのサイバーセキュリティーの強化といった課題を掲げておるところでございます。

我々としましては、こういった課題につきまして最終報告までの間に更に細部を詰めまして、日米協力のこの分野での在り方といったものを更に深めていくという、そういう考え方に立ってございます。

田中茂君

確かに、周辺国でかなり脅威を持った国が存在していると認識しておりますので、この辺は極めて大事なポイントではないかと私も理解しております。

次に、二〇一一年の東日本大震災の折、当時の菅元総理は自衛隊十万人を派遣すると述べ、それでは日本の守りはどうなるかと指摘されました。

そこで質問なんですが、自衛隊の活動はグローバルにこれまで以上関与することになり、リージョナルな守りが手薄になるおそれはないのか、グローバルとリージョナルの割合をどのように考えておられるのか、お聞かせいただきたいと思います。

国務大臣(江渡聡徳君)

お答えさせていただきます。

地域のための協力とグローバルな協力の割合についてのお尋ねだと思いますけれども、この中間報告におきましては、地域の及びグローバルな平和と安全のための協力といたしまして、日米両政府が様々な分野において協力を強化するというふうにしております。

日米協力の範囲に関しましては、地域の平和と安全のための協力と、それからグローバルな平和と安全のための協力、この割合について定量的にお答えする、あるいは論じるということは非常に困難ですけれども、いずれにいたしましても、地域やグローバルの協力につきましては、我が国といたしましては自らの国益に照らして適切に実施してまいりたいと思っております。

なお、見直し後のガイドラインにおきましても、我が国に対する武力攻撃への対処が引き続き日米防衛協力の中核的要素であるということは、これは変わりがないことでありまして、我が国の防衛に万全を期すことは当然であろうというふうに考えております。

田中茂君

何で私がこのような質問をしたかといいますと、例えば、大規模震災対処は現行の統合機動防衛力の範囲内で対応するということで、日本防衛の防衛力を活用すると聞いております。

ただ、大震災が起こっていなければグローバルな貢献の余力はあると思います。

しかし、グローバルな貢献中に大震災となれば、当然ながら、基本は貢献を一時中止し帰国することになると考えます。

また、三・一一のときと同程度かそれ以上の規模の部隊派遣を行った場合、潜在的脅威国が日本の防衛に空白が生じると考えるおそれもあるほか、さらに、グローバルな貢献のための部隊派遣が重なった場合には、そうした判断を更に助長することにもなりかねないと思っております。

そこで、次の質問なんですが、日本は、大規模地震が起こる可能性は極めて高く、最近でいえば、広島の豪雨もそうですが、御嶽山の噴火、今回、行方不明の方たちを懸命に捜索された自衛隊員と東京消防庁の皆さんへは心からの敬意を表したいと思いますが、このように日本では自然災害による被害も増えております。

防衛省としてはそのための備えや体制づくりでかなり大変ではないかと推察するんですが、さらに、米軍の国防費削減を受け、中国正面の守りを補完しなければならないと思うのですが、自衛隊にグローバルな貢献を広げる余裕はあるのか、また、中間報告は人道的支援対処など地球規模の支援が強調されておりますが、日本国周辺への米軍の抑止力を確保することにつながるのか、その辺の説明をお願いいたします。

政府参考人(黒江哲郎君)

まず、今お尋ねございました自衛隊の体制といいますか、我が国としての防衛力の体制として十分なのかどうなのか、特にグローバルな協力といったものを視野に入れたときに十分なのかどうかという点でございますけれども、この点につきましては、昨年の十二月に策定をいただきました防衛計画の大綱の中で、防衛力が果たすべき役割といったものに言及をいたしております。

この中では、第一に、これは日本の防衛といったものを強く念頭に置きまして、各種の事態における実効的な抑止及び対処といったことがまず第一の防衛力の役割であるという、そういう記述をいたしております。

また同時に、二番目の大きな役割といたしまして、アジア太平洋地域の安定化及びグローバルな安全保障環境の改善といったものを役割として挙げておるわけでございます。

この二点といいますのは、実は今回、中間報告の中で我々整理をさせていただいております我が国の平和と安全といった課題と、もう一つ、地域の及びグローバルな平和と安全といったものを確保するという、この二つの目標に基本的にパラレルな形で対応をいたしておるということでございます。

したがいまして、我々の防衛力、現在の防衛力につきましては、先ほど申し上げました防衛計画の大綱に従って、大綱の考え方をきちんと体現するという形でその規模あるいは体制といったものを実際に定めておるわけでございますが、その大綱の中でも、既にそういった大規模震災も含めた様々な脅威に対して我が国を守るということと地域及びグローバルな安定に寄与するという二つの目標を掲げて、それに必要な防衛力を整備するという、そういう考え方を取っておるところでございます。

そういう意味で、実際のオペレーションの中で様々な事態が重なったときには、まさにこれは総理大臣始めとした指揮官の御判断を適切にいただくということが必要になろうかと思いますけれども、我々といたしましては、現在の体制、防衛計 画の大綱の下で実現をしようとしております体制とこれの整備を着実に進めていくことで、我々の任務であります国民の命と平和な暮らしを守ると、さらにグローバルな活動にも積極的平和主義の立場から積極的に関わっていくと、そういう二つの目標に対応できるようにということに努めていくということだと思っております。

田中茂君

本来、我が国のリージョナルな防衛のためには、いかに日米同盟を強化し、いかに米国からの抑止力を確保するかが重要な点であると思っております。

そのために、グローバルに展開する米国の国益を共同で守り、その見返りとしてリージョナルな地域防衛に米国にしっかりと貢献してもらうというのがその狙いであるはずと私は考えておるんですが、前回のガイドラインでは主として朝鮮半島有事を想定したものであり、今回は、本来なら尖閣諸島近辺を含めた脅威が高まっている中国を当然対象だと思っております。

そこで、地球規模で自衛隊が米軍と行動を共にする際の自衛隊派遣の基準はどこにあるのか、法的整備はいかにするのか、お聞かせいただきたいと思います。

また、逆に、尖閣諸島の防衛など、米軍を巻き込み日本の抑止力を強化する仕組みは中間報告に当然ながら明記されていませんが、新ガイドラインでははっきり示されることになるのか、またどのような方針でガイドライン決定に臨むのか、お聞かせいただきたいと思います。

政府参考人(山和之君)

内閣官房におきまして、ただいま日本の安全保障法制の整備を行っておりますので、先生の御質問のうち、その部分についてお答えさせていただきます。

七月一日の閣議決定を受けまして、具体的な法制の在り方及び法整備の内容を現在検討を行っております。

閣議決定で示された基本方針の下、すなわち、国民の命と平和な暮らしを守り抜くため、あらゆる事態に切れ目のない対応を可能とする観点から、現在、政府の中で方針を検討しておりますけれども、現在検討中でございますので、その内容につきましては検討結果を待ってから政府として御説明をさせていただきたいと思っております。

また、御指摘のガイドラインの見直しでございますけれども、七月一日の閣議決定によって示されましたただいま申し上げました方針、加えて国際社会の平和と安定にこれまで以上に貢献するとの方針も踏まえて、自衛隊と米軍の協力の在り方について更に検討をしているところでございます。

政府といたしましては、ガイドラインの見直しと、ただいま申し上げました国内法整備の両方を整合させる形で検討を進めていく所存でございます。

田中茂君

先ほどから何度か申しておりますが、米国は日本に対してより広範なパートナーシップ、より大きな責任を求め、日本は米国に対し緊急事態の際の米国対処の確約を求めているわけですが、この中間報告は、重要な日本の本土防衛、すなわち日本の国益よりどちらかというと米国の国益、地球規模なものへの貢献に重点が置かれ、日本には得るものが少なく、米国への貢献が目立つような内容であるとの疑問は払拭できません。

イスラム国は勢力を拡大しつつあり、イラク、アフガンでのテロとの戦争のときのように泥沼化する可能性もあります。

その場合、米国のアジア太平洋地域のリバランスへの影響も必須であり、その点をどのように考えているのか、お考えをお聞かせください。

副大臣(城内実君)

今の御質問ですけれども、まず、米国は、昨年十月に開催されました日米2プラス2共同発表にもあるとおり、リバランス政策としてアジア太平洋地域重視の取組を引き続き進めており、日米同盟が世界及び地域の安全保障上の課題に対処することができるよう、その軍事力を強化する意図を有する旨、明確にしております。

また、本年四月、オバマ大統領が訪日した際にも、日米両首脳は、我が国の国際協調主義に基づく積極的平和主義と米国のアジア太平洋地域へのリバランス政策の意義を確認しつつ、共に平和で繁栄したアジア太平洋を確かなものとしていくために、日米同盟が主導的な役割を果たすことに貢献するという認識で一致したところであります。

このように、米国が中東を始め世界の他の地域についても関与を継続していることは事実ではありますが、オバマ政権は様々な機会に、軍事力に関するものも含めてアジア太平洋地域へのリバランス政策の下での取組を堅持する、その旨繰り返し強調しており、我が国としてもこれを歓迎しているところであります。

田中茂君

繰り返しリバランスについて明確に言っておるということなんですが、より明確にさせていただきたいと私は思っております。

グローバルに展開する米国の国益は共同で守るのであり、その見返りとしてリージョナルな地域防衛に米国にしっかりと貢献してもらうためにも、このアジア太平洋地域のリバランス体制を明確にしておくべきだと私はそう思っておりますので、十分に、グアムへの海兵隊移転もありますし、その辺は明確にしておいていただきたいと思っております。

次の質問に移らさせていただきますが、グレーゾーンにおけるシームレスな対応とは具体的にはどのようなものなのか。

また、自衛隊の権限を強化すれば治安維持に当たる警察や海上保安庁の権限との境目が複雑化していくかと思いますが、国内整備についての見解をお聞かせいただきたいと思います。

政府参考人(藤山雄治君)

お尋ねのありました武力攻撃に至らない事態における自衛隊と警察機関における対応の調整ということでありますけれども、これは基本的には、この時点におきましては、領土、領海の治安の維持については警察や海上保安庁が第一義的な責任を有しているということでありますけれども、これら警察機関では対応が不可能あるいは著しく困難であるという場合
には、自衛隊が治安出動あるいは海上警備行動の発令を受けて警察機関と連携をしつつ対応するということになるわけであります。

現在、政府におきましては、こうした関係機関がそれぞれの任務と権限に応じて緊密に協力をして対応するということを基本方針としておりますけれども、こうした方針に基づきまして必要な調整を図っていくこととなるというふうに考えております。

田中茂君

シアー国防次官補が八日に、我々はあらゆる事態に柔軟で切れ目のない全政府的なアプローチに関心があると記者会見で述べたと報じられています。

シアー氏の発言は、ただ単に関心があるだけで具体的な話合いはなされていないように受け止められますが、日本は米国に対し何を期待し、またそれに関して米国の協力についての具体的な取決めはあるのか、お聞かせいただきたいと思います。

政府参考人(黒江哲郎君)

お尋ねの点は、中間報告の取りまとめに至るまでの日米間の協議の内容といったところに関連する部分だと思いますけれども、必ずしもシアー国防次官補が関心だけを示しておるということではございませんで、これまでの日米間の協議の成果というものを我々は今回の中間報告の中で整理して触れておるわけでございますが、例えばその中で、「日本の平和及
び安全の切れ目のない確保」と。

これは今回の見直された後のガイドラインの中におきましても中心的な章になろうかと思いますけれども、この中でも様々な日米間での具体的な協力項目を挙げて、これらにつきまして平時から緊急事態まで切れ目のない形でお互いに協力しながら必要な措置をとっていくということをきちんと記述をしておるわけでございます。

さらに、具体的な内容につきましては、今後、最終報告に向けて日米間で協議を深めていくということを考えてございます。

いずれにしましても、日米間で適切な役割分担といったものを定めるためにどのような形の協力形態がいいのかといったことを現在詳細を詰めておるということを御理解いただきたいと思います。

田中茂君

二〇一四年四月、オバマ大統領が訪日時に、日米安保条約第五条は尖閣諸島へ適用されると、そのように明言されましたが、条件において尖閣諸島が日本の施政下にある限りと話をされています。

そこで、仮に中国の漁民や難民が尖閣諸島に上陸して一時的にでも中国の施政下に入った場合はどうなるのか、アメリカのコミットメントはなくなるのか、その辺をお聞かせいただきたいと思います。

国務大臣(岸田文雄君)

米国は、累次の機会に日米安全保障条約第五条は尖閣諸島に適用されることや、この日米安保条約の下での米国のコミットメント、確認をしております。

そして、御指摘のように、本年四月、オバマ大統領、我が国を訪問された際にも、同大統領との間で、日本の施政下にある領土は日米安保条約第五条の適用対象であり、尖閣諸島もそれに含まれること、さらには、米国は尖閣諸島に対する施政を損なおうとするいかなる一方的な行動にも反対する、こういったことを確認している次第です。

まず、日本政府としましては、米国がこの条約上の義務を果たすことに信頼を置いています。

そして、その上で、中国公船が尖閣諸島沖で領海侵入を繰り返していることは極めて遺憾であります。

そして、引き続き、御指摘のようなことがないように、我が国の領土、領海、領空は断固として守り抜くとの方針の下で関係省庁が連携し、毅然かつ冷静に対処していくことが重要であると認識をしております。

田中茂君

我が国の領土を断固として守り抜くというのは当然であると思います。

次に、過去十七年間ガイドラインの調整メカニズムが一度も使われたことがなかったのは、幸いにも周辺事態有事が起きなかったからでありますが、今度は、北朝鮮のミサイル対処、尖閣諸島問題等々でより緊密な調整が必要となると思いますが、自衛隊と米軍の共同対処について、調整メカニズムの重要性についてどのようにお考えか、お聞かせいただきたいと思います。

政府参考人(黒江哲郎君)

日米間での調整メカニズムの重要性についての認識ということでございます。

先生御指摘のとおり、この点につきましては、政策レベルから部隊の運用といったレベルに至るまで、各レベルにおいて日米間で緊密に連携を取るという観点から、この種のメカニズムというのは大変重要であるという認識をいたしております。

そのため、現行のガイドラインにおきましても、日米間に調整メカニズムを平素から構築しておくという、そういう記述があるわけでございます。

さらに、今般の中間報告の中では、今まさに先生から御指摘ありましたように、この十七年間、幸いにしてそれは必要になる事態がなかったということであるのですが、更に頻繁にこういった調整といったものができるようなメカニズムといったものがどのような形が適切なのかと。

切れ目のない実効的な政府全体にわたる同盟内の調整を確保すると、あるいは同盟内の調整の枠組みを改善して適時に情報を共有する、あるいは政策面、運用面の調整を行うといった観点から、これを更に検討していくということをうたっておるわけでございます。

最終報告に向けまして、まさに調整メカニズムの重要性といったものを念頭に置いて更に作業を深めていきたいというふうに思っております。

田中茂君

次に質問を移させていただきたいと思いますが、平時から大地震等の自然災害に備え、大規模な陸上自衛隊を保有して配置しておくということは合理的ではないと、そのように理解します。

全ての自衛官が同じ任務に当たり、同じ能力とスキルを持つ必要はなく、例えばグローバルな任務に就く自衛官や部隊を専門化し、その専門化部隊が対処できる範囲内のグローバル任務に対応することも検討してはいかがかと思うんですが、その辺、御見解をお聞かせいただけませんでしょうか。

政府参考人(黒江哲郎君)

この点も防衛省・自衛隊の体制に係る御指摘だと思いますけれども、陸上自衛隊、現在の体制で、我々としては必要な任務は様々ございますので、こういったものに対して、平素から当然のことながら起きる災害にも対応いたしますし、一朝有事の際に備えて必要な訓練等々も行っておると、そういうことでございます。

そういう中で、国際協力といったようなそういう活動に対しましても、そういう部隊が、そのような活動あるいは訓練、演習といったものを通じて培ってきた能力といったものを生かしていくというのが原則的な考え方でございます。

他方、国際平和協力活動に対応するという観点からいたしますと、例えば当初非常に早い段階で、例えば緊急援助活動といったものに対応しないといけないという、そういう即応を要するような部分について、これはそのための部隊を保有するという、そういうような考え方というのも当然必要になろうかと思ってございます。

そういった考え方から、防衛省におきましては、現在、陸上自衛隊の中央即応集団の隷下に必要な教育訓練、支援等々を行うための国際活動の教育隊といったものを保持すると同時に、何か事が国外で起きた場合に、先遣隊としての機能を発揮できる中央即応連隊といったものも保持をいたしております。

当然、これは先遣隊としての能力といいますのは国外活動だけに限られないわけでございますが、我々としては、先生御指摘のような専門性といったものと、我々の非常に、何といいますか、重層的に課せられております自衛隊に対する任務といったものとバランスよく対応できるようにということを考えながら、部隊の編成でありますとか、あるいは要員の配置といったものに当たっておるという、そういうことでございます。

田中茂君

ここで新ガイドラインに関しての質問は終わりにしますが、集団的自衛権行使容認にしても、本来なら憲法改正を行うことが正当な手順であると私は考えております。

しかし、憲法改正の手続を経るには時間が掛かることを考えると、その順序で進めることは現実的ではなく、時宜を得た対応ができないということも理解できます。

だからこそ、なおさら今後の日本の安全保障については、国会審議を先に行い、それをたたき台としてガイドラインを策定すべきだと思っております。

四月以降にもしかしたらガイドライン改定がずれ込むかもしれないと。それは分かりませんが、その可能性もあるかもしれないし、しかし、ガイドライン見直しの前提というのは防衛に関するアメリカ側のコミットメントをいかに得るか、これが極めて重要であると考えておりますので、念頭はここに置いて交渉に当たっていただきたいと思っております。

次に、先ほどの質問で遠方での我が国の情報収集能力の限界について質問しましたが、その際の政府答弁で防衛駐在官や在外公館からの情報等のお話がありました。

二〇一三年一月、アルジェリア東部イナメナスの天然ガス関連施設で起きた人質事件では日本人十人の犠牲者が出ました。

このとき、アルジェリアに防衛駐在官がいなかったことが問題となったわけであります。

英国のキャメロン首相が入手していた情報を安倍総理が全く知らなかったということも起きましたが、情報入手ができずに対応が遅れたとも聞いております。

当時、アフリカで防衛駐在官が派遣されていたのはエジプトとスーダンの二か国のみ、その教訓から、平成二十六年度予算には、アルジェリア、モロッコ、ナイジェリア、ジブチ、エチオピア、ケニア、南アフリカに、また中南米では初となるブラジルに防衛駐在官を派遣する予算が組み込まれ、アフリカの国五十六のうち九か国に防衛駐在官が駐在していると承知しております。

そこで質問なんですが、防衛駐在官が増えたのは喜ばしいのですが、米国は当然ながら、ドイツやイギリス、フランス等と比較すると、まだ少ないと考えられます。

どのような基準で派遣国と派遣人数を決めているのか、お聞かせいただきたいと思います。

政府参考人(黒江哲郎君)

防衛駐在官の役割と派遣に関する考え方についての御質問でございます。

防衛駐在官につきましては、今御指摘のような駐在国におきまして我が国の安全保障に関わる軍事情報を収集するという、そういう重要な任務を負っておりますけれども、同時に、駐在国との間で様々な防衛協力あるいは安全保障対話といったことに係る様々な調整の任というものも担っておるわけでございます。

このような防衛駐在官につきまして、現在、本日現在でございますが、三十四大使館、二代表部で四十九名の派遣ということを行っておりますけれども、この際の派遣の考え方といたしましては、当該駐在国の関連の情勢といったものが我が国の安全あるいは自衛隊の運用といったものにどのような影響を及ぼすのかといった点、さらには駐在国と我が国との間の防衛協力の進展の状況といった点、あるいは新規派遣のための定員、あるいは、これは語学の問題等もございますので、適切な人材を計画的に確保しないといけないという、そう
いう視点がございます。

こういった点を総合的に勘案いたしまして現在までのところ派遣国あるいはその人数等を決定しておるという、そういう状況でございます。

田中茂君

先ほども中東の情報についていろいろと質問をしましたが、やはりヨーロッパの駐在官というのは大事だと思っております。

というのは、イギリス、フランス、ドイツの駐在官は一人だけだと聞いておりますが、アフリカ、中東情報はヨーロッパが詳しいということも聞いておりますので、なるべく、情報収集の意味でもそれで足りるのかと私は思っております。

防衛駐在官や情報収集担当官の配置をより抜本的に強化すべきではないかと思っておりますが、その辺をお聞かせください。

政府参考人(黒江哲郎君)

お尋ねの防衛駐在官の派遣あるいはその体制につきましては、御指摘のとおり、我々としても今後更に強化を図っていきたいと思ってございます。

実際、今ヨーロッパ地域におきましては十一大使館、一代表部で十四名の防衛駐在官という、そういう状況でございますけれども、まさに御指摘の趣旨と沿うものとは思いますが、アルジェリアにおける邦人に対するテロ事件というのを踏まえまして、まさにそのアフリカについての情報というのをヨーロッパ各国が有しておるということに着目しまして、イギリス、ドイツ、フランスの三か国につきましては、本年度におきまして防衛駐在官それぞれ一名ずつ増員を行おうというふうなことを計画をいたしております。

こういう点も含めまして、今後とも防衛駐在官を通じた情報収集の体制の強化ということを図っていきたいと思っております。

田中茂君

よく他国の駐在武官の人たちの話を聞くと、よく交流があって、その間での意見交換が進んでいるとも聞いておりますので、是非ともその点は強く進めていただきたいと思っております。

時間が来ましたので、実はエボラ熱についてもお聞きしたかったんですが、ちょっと時間がないんで、これで私の質問は終わりにします。

どうもありがとうございました。

日本に生まれ育ち、一生を過ごしたいと言える「誇りのもてる国」
ページトップへ