前参議院議員 田中しげる

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[会議録]田中茂 国土交通委員会(参議院) 2014年5月13日
会議録 2014/05/13

2014年05月13日国土交通委員会pdf

田中茂君

みんなの党の田中茂です。

今回提出されている二つの法案につきまして、人口減少、高齢化の進展等への対応を図らなければならぬという認識は私どもも共有していますし、世界の中でもほかと差別化した魅力ある都市としてプレゼンスと国際競争力を高める必要性にも賛成いたします。

国の基本方針、成長戦略の一環として不可欠であることにも異論はありません。

とはいえ、本法案には幾つかの点でお尋ねしたいことがあります。

まず第一にですが、今年の二月に国交省が公表した都市再生に向けた取組についてで、地方都市で市街地が拡散し、低密度な市街地を形成していると説明があり、それが一つの問題とされています。

しかし、二〇一〇年までのいわゆる平成の大合併を通じて市町村数はほぼ半数になったことを踏まえると、そのような状態は当然想定されたことであって、市町村合併を推進した結果を否定することにもつながりかねないと思うんですが、この点の見解はいかがでしょうか。

政府参考人(石井喜三郎君)

本法案は、平成の大合併、三千の市町村を半数に、人口についても三万六千を六万九千に上昇させた大合併を否定するものではございません。

平均密度が下がりましたというのは市街地の人口密度でございまして、市町村単位のものを言うものではございません。

むしろ、合併をすることによりまして市町村の中に幾つかの拠点が生まれてまいります。

これらの生活拠点を公共ネットワーク等で結び付ける多極ネットワーク型のコンパクトな姿を是非とも目指したいと、かように考えている次第でございます。

田中茂君

コンパクトシティーということですので、なるべく簡素で分かりやすくしていただきたいと思いますので、その辺を踏まえてやっていただきたいと思います。

次の質問ですが、今まで外延化が進んできた都市を郊外から都心へと回帰させる措置は多くの利害関係者の調整が必要であり、この間、参考人の方もお話しされていましたが、相当な政治的リーダーシップが要求されると思います。

法的要件だけではなく税制などの組合せでインセンティブを働かせる仕組みが必要で、確かに、本法律案ではコンパクトシティー化の計画を策定する市町村に対して計画内容の実現のための規制や財政、金融、税制などの支援をセットとしています。

しかし、計画策定が義務化されているわけではないので、手を挙げる市町村がいて、どのくらいいるのか、その広がりが重要だと思っております。

その辺りの見込みはいかがなのか、どれくらいのスパンで、どの程度の市町村がマスタープランを計画し、コンパクトシティー化を進めているとお考えなのか、お聞かせいただきたいと思います。

政府参考人(石井喜三郎君)

お答え申し上げます。

現時点で具体的な要望という形では、当面十程度ということを申し上げたところでございます。

それから、これはなかなかすぐに行うということは大変難しい点がございます。

富山市の場合には二十年ぐらいのタイムスパンを計画期間というふうに考えておりますが、市町村の基本構想が大体十年から二十年ということを考えますと、全体としては十年から二十年ぐらいの中のスパンで計画を実現していくといった方向になるのではないかと考えております。

いずれにしましても、早く良い例をつくって、これを横展開していくということが重要でございますので、そのための知恵を絞ってまいりたいというふうに考えております。

田中茂君

ありがとうございます。

横転換といいましても、それぞれ都市レベルが違うし、いろんな文化、伝統もありますから、そう簡単にはいかないと思いますが、その辺はより懇切丁寧にやっていただきたいと思います。

次に、高齢者とコンパクトシティーの在り方についてであります。

人口減少や高齢化で利便性の高い暮らしや交通手段を求める人がいる一方で、高齢化になればなるほど、これまで住み慣れ親しんだ場所からよそへ移ることへの身体的な負担や心理的抵抗感も強いと思います。

都心の成り立ちには、先ほども言いましたように、それぞれの独自の背景があり、文化や歴史があって今に至っているわけであります。

そのような歴史や記憶の連続性を考慮することなく管理者目線で効率性を求める施策にすることが果たして適切なのか、それがコンパクトシティーと言えるのか。

民間の開発であれば、利益が出るような、効率性を第一に求めることが当然ですが、法制化して国が支援する以上、あくまでも住民目線の施策の進め方を念頭に置くのは当然だと思います。

そこで、そのような住民感情や高齢化を考えた場合、法案にあるような都市機能誘導区域と居住誘導区域のすみ分けが果たして現実的なものなのか、御意見をお聞かせいただければと思います。

政府参考人(石井喜三郎君)

高齢化が進展する中で、居所を変えていくというのは大変難しい作業でございます。

衆議院の方の参考人で御出席をいただいた森市長は、居住誘導の区域を定めるのに市長自ら二百回の市民集会をこなされたということで、まさに政治的リーダーシップが必要であるという証左であろうかと思います。

今般のこの区域誘導は、まず一つは、届出、勧告という誘導的な手法であって、強制的なものではないと。

現在、今住んでいる住宅について届出、勧告を求めるものではなく、住宅事業者による開発を対象としておるということでございます。

そうではございますが、区域の設定に当たっては、議員御指摘のとおり、地域の文化、歴史等を十分に踏まえたものとする必要がございますので、市町村、事業者、住民の代表の方が参加できる協議会を設置をして、区域の具体的設置については十分に御議論をいただきたいというふうに考えております。

田中茂君

ありがとうございます。

確かに、都市の周辺にある自然や農地等を含めた有形、無形の資産、都市の価値になっているような資産は何かを十分に検討していただきたいと思います。

次に、質問させていただきます。将来の人口予測と地域の再生についてであります。

二〇一一年の総務省公表の将来人口の推移を時系列で見ますと、将来人口は緩やかに減少し、六十五歳以上の高齢者の比率が高くなります。

一方、東京への流入人口を見ると、逆にほぼ横ばいに推移するものと考えられます。

この二つを比べれば、現状のままでは地方人口は減ることはあっても増えることはないでしょう。

そのような中で、都市再生特別措置法については国が主導して行うという方針が二〇〇二年の本法律策定時からの基本的な考えでありましたが、今回の両法案の改正により、都道府県や市町村の役割は高まるとされています。

先ほどから何度も質問が出ていると思いますが、大臣に是非お聞きしたいのは、地域の再生、コンパクトなまちづくりとは何をもって実現したとお考えなのか、お聞かせいただけますか。

国務大臣(太田昭宏君)

私は、今回は具体的な都市再生ということと地域公共交通の活性化というそれぞれの目標を掲げているんですが、我が町をどういうふうに再生しようということを二〇四〇年とか二〇五〇年ということを想定してつくり直すということになると、富山市を始めとしていろんなところがスタートを切っているように、コンパクトシティー・プラス・ネットワークとい
う形を取ると。

平成の大合併というのがありましたけれども、その中にも、バームクーヘン型のものに全部仕上げるというのではなくて、極が二つあったりというようなことであって当然いいんだというふうに思います。

それぞれの町がどうやって生き抜いていくかということをどの町もみんな考える、そして、お互いにこの成功例等を横に渡し合って、そして生き抜いていく道を探っていこうと。

海ということで勝負できるところもあれば、観光ということで勝負するところもあれば、いろんなところがあるんですが、全部、今まで東京のミニ東京というよう な形で、そしてモータリゼーションの中で、個性というよりは、これは一体どういう町なんだという特性がないままこの一億二千七百万人が住んできているという状況を、ここは行政が前面に出て大きく変えていこうというところが今回のことでございます。

したがって、何をもってコンパクトかということについては、まさにコンパクトシティーとして、あっ、これなるほどなというところもあろうと思いますが、もっと大事なのは、その都市が将来にわたって生き抜いていくという形をつくり上げるという、その一つの例としてコンパクトシティー・プラス・ネットワークという大枠があるというふうに考えていただければというふうに思います。

そういう意味では、一律ではない地域の地形や人口あるいは歴史、そうした様々な、高齢化率もありますし、そういうところをどうやってつくり直していこうかということのモデルをそれぞれのところが競い合ってつくり上げていこうというスタートを是非とも切っていただかなければ、日本は二〇四〇年、二〇五〇年には大変なことになるというふうに思っているところでございます。

田中茂君

大臣、ありがとうございます。

今の大臣の答弁を聞きながら、ちょっと、まさに一つお願いしたいことがありますので、今から申し上げたいと思います。

いわゆるコンパクトシティーを目指す町では、日本の将来を担う子供たち、いずれ日本を背負って立つ子供たちも生まれ育っていきます。

私たちにとってふるさと、町は、単なる利便性や効率だけを望む場所ではなく、この間の参考人の方にも私、質問いたしましたが、我々日本人のアイデンティティーを形成する極めて重要な源泉地でもあります。

町を囲む自然環境、山河や田畑、そして鎮守の森もありますし、悠久の歴史の中で先人が築き上げた伝統、文化を共同体の一環として町の中で習得していくことが、習得していく原体験こそが我々日本人のアイデンティティーでもあり、町のストック、資産でもあると思います。

だからこそ、都市計画の前に、この国の将来の姿をどう描くのか、国家のグランドデザイン、すなわち、情報通信、IT関係の総務省、さらには医療、福祉関係の厚生労働省、伝統、文化、教育関係の文科省、景観、町並み関連の環境省、各省との調整を含んだ国家戦略なくしては、どのような戦術、すなわちハード面をもってしても長期的な視野で都市再生を図ることは難しいのではないでしょうか。

一口に地域再生と言っても、先ほどからもおっしゃっていますように、それぞれの都市があり、それぞれがどこを目指しているのか、地方の中でも様々なレベル、すなわち多様なソフト面があるはずです。

そこを明確にし、各省と自治体とのコンセンサスを得て動かない限り、都市再生、地域再生は掛け声倒れに終わってしまう可能性が高く、だからこそ強いリーダーシップを持つ首長の積極的で意欲的な取組が不可欠であると思われます。

そのような状況を踏まえて、国交省として具体的な成果を上げるために大臣が主導を取っていただいて、先ほどから国土のグランドデザインのお話をされていましたが、是非とも早急に国土のグランドデザインを作成していただき、そのロードマップを作成し、取組を進めていただきたいと思います。

以上、私のお願いを申し上げて、私の発言といたします。

日本に生まれ育ち、一生を過ごしたいと言える「誇りのもてる国」
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