前参議院議員 田中しげる

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[会議録]田中茂 統治機構調査会(参議院) 2015年4月22日
会議録 2015/04/22

189-参-国の統治機構に関する調査会-3号-2015年04月22日-初版

田中茂君

日本を元気にする会・無所属会、無所属の田中茂といいます。よろしくお願いいたします。

今日は、両参考人、大変お忙しい中御出席いただきまして、またお話を拝聴する機会も得まして、大変有り難く思っております。

私、先ほどお話をずっと聞きながら、地方分権、道州制、様々なその話の前に、じゃ、自分にとっての地方というのは何なのかと、そう考えたときに、やはり地方というのは私の生まれ育った場所。

そこは、生まれ育って、じゃ、何を自分に与えてくれるのかと。

それはやはりアイデンティティーだと思うんですね。

じゃ、そのアイデンティティーというのはどこから派生するか。

当然ながら原風景、美しい山河、そして四季を通じた風景。で、原体験、それは何かというと、原体験といえば、歴史、伝統、文化、その土地の歴史、伝統、文化であると思うんですね。

そこの中で自分の考え、そして先人がまた育ててくれた社会的規範、ソーシャルノームというか、そういうものを得ていくと。

で、共同体生活の中でそれを会得していくと。

だからこそ、自分たちには自由の気概が出てくる、独立、自尊の気持ちも生まれてくると。

私は、そういうのが地方だと思っております。

そういう中で、当然ながら時代の背景が変わっていって、経済性、で、効果性を求めていくと。ということで、道州制、また地方分権なのか、自立型分権なのか、それは、それぞれの手段として出てくると思っておるわけです。

ただ、今言ったようなアイデンティティーの生まれる源であるというものを押さえておかない限りは、これは非常にぶれていくんではないかと、基本はそこにあるんではないかと私は思っておるんですね。

そういうことに対する両参考人のお考えはどういうふうな考えでお持ちなのか、お聞かせいただければと思います。

参考人(井戸敏三君)

今、我々兵庫県で大変強調していますのは、ふるさと意識を持とうということなんです。

それは、今、田中議員が御指摘されたような、基本的なバックボーンを育て上げていかなければならない。

兵庫で生まれ育ったということを誇りに持つ、そのことが大事なのではないかと。

ただ、これ幾ら観念で言っても会得できませんから、我々としては、学校では体験教育を重視させていただいています。

小学校三年生で環境学習、五年生で自然学校、中学一年生でわくわくオーケストラ、二年生でトライやる・ウイークということで社会体験、それから高校一年生でボランティア、高校二年生で就業体験、こういう体系的な年代別のふさわしい体験学習コースを用意しているという、これはふるさと意識を持ってもらおうという意味の一つの手段です。

それから、ただそれは生まれ育った人たちだけですけれども、今現在我々兵庫に住んでいる人たち、その人たちを巻き込まなきゃいけない、それでないと兵庫の将来がどうなってもいいという話になってしまいますので、自分の住んでいるところをより豊かな、自分たちの望めるような環境にしていくにはどうしたらいいのか。

そうすると、自分の住んでいるところを第二のふるさととして意識してもらおうという意味でのふるさと意識の喚起運動を県民運動として展開をさせていただいております。

おっしゃいますように、そういう地域に対する帰属意識をなくしてしまうようなことになってしまうと、それは国も成立しなくなる、世界にも通用しなくなる。

やはり、帰属意識をきちっと持った、ふるさと意識を持った人間を育てていきたいというのが我々の基本原則でございます。

参考人(佐々木信夫君)

ふるさとは遠くにありて思うものというところもありまして、ふるさとに住んでいる人の思いと、ふるさとを離れてこういう大都市におられてふるさとを見る思いとは必ずしも同じではないと思うんですが、合併などの議論もそうですが、生活都市、自然都市のようなふるさと、いわゆる地域と、それから行政上の都市、これは、ある程度合理性を持って公共サービスを提供するためにどういうくくりとかサイズがいいかという話をしている行政都市と、必ずしもイコールではないんですね。

ですから、生活都市で、こういう野山とかいろんな風景をおっしゃいましたし、私も田舎がありますけれども、そういう風景はなるべく、もちろん壊すわけじゃなくて、記憶にも残るし、そういうところになるべく行ったり来たりするような、もっと言えば、住所を二つも置けるような形で、なるべく自然都市というか、そういう自分が育ったところの帰属意識はなるべく強めていく方が、強めていくようないろんな施策もあっていいし、それは大事だと思うんですね。

ただ、それと、例えば区域を広げたとか行政上の合理性のために行政都市を人為的につくってきているお話とは必ずしもイコールではないと思うんですね。

一つこれから問題は、やっぱり大都市で生まれ育っている人たちが半数以上を占めてきていますので、大都市がいわゆるふるさととして、こういう大都市で育っていく人たちにどういう形で残っていくのかなと。

それを、田舎に例えば何とか留学とかいう形で行ってもらうということも大事ですが、比較的古い話ですと、旧制高校のようなやり方というのはいいんですね、青春を地方の都市で送るという。

それは、大都市で生まれようが何であろうが地方の幾つかの旧制高校などで原体験で青春を送った人というのは、意外とそういうところのことを大事にするという。

ですから、流れが地方から大都市へ来るだけじゃなくて、大都市から地方にどういう形で、ずっと住み着けという話ではないんですけれども、体験をしてもらうような仕組みというものを考えなければいけないんじゃないかなと。

もっと言えば、大手の大学は減反をして各地方に分校を造った方がいいと。今は逆でありまして、地方会場で全部試験をして地方から人を集めてきて、僕の中央大学もそうでありますが、生きている状況でありまして、これはますますそういう青春は大都市でしか送らない仕組みになっていると、これが人口減に拍車を掛ける非常に大きな仕組みだと、これ是非皆さん議論をしていただきたいんですが。

企業だけじゃないんですね、大学が一番大事だろうと、人を、若者を吸引している。

私も責任はありますけれども。

田中茂君

ありがとうございます。

別の角度からちょっと質問させていただきたいんですが、先ほどコンパクトシティーのお話がありましたけど、コンパクトシティーの、そもそもは、高齢化社会に対してコンパクトにまとまっていく、機能を全部そこに集中させると。

だけど、先ほどの質問にもちょっと私関連してくるんですが、別にそこには高齢者だけじゃなくて、青、壮、老、全ての人たちが住んでいるわけですね。

そういう中で自分たちのアイデンティティーというのは築かれていく、そしてきずなも築かれていく、共同体意識が生まれてくる、そういう非常に大きな話が出てくるわけだと思っておるんですね。

そういう中で、コンパクトシティーが果たしてどの程度成功していくのか。

国土交通省はグランドデザインということでおっしゃっていますけど、それは一国土交通省の話では僕はないと思っているんですね。

そこには総務省も関係してくるだろうし、文科省も関係してくるだろうし、当然ながら環境省も出てくる、いろんな省庁が出てそれはコンバインさせていくという話になると思うんですね。

その辺についてもちょっと御意見をお聞かせいただければ有り難いんですが。

参考人(井戸敏三君)

やはり、市町村が中心になってどういう自分たちの地域づくりを進めていくかということに懸かっているというふうに思います。

市町村として、機能的な連携を重視していくのか、それともその機能をできるだけまとめ上げていくような地域づくりを進めていくのか、どちらを取るのかという選択の問題だと思います。

ただ、今まで高度成長のときでもそういうまとめ上げていくという選択をかなり取ってきたはずですが、じゃ、それが地域の過疎化を止めるとか高齢化を止めるとかということにつながったかというと、余りつながってこなかったんではないか。

だとすると、今のような人口減少下において、高度成長期に取ったような同じような発想で、コンパクトというような発想で進めていくことでうまくいくんだろうかという疑念が私自身はありまして、それよりも、今のそれぞれ持っている機能を補完し合うような仕掛けを考えていった方が現実的なのではないだろうかというふうにも思っています。

それから、ふるさとの意識の問題は、大都市のコミュニティーで育った子供たちも十分持っているんですね。

震災から復興の過程におきまして、例えば神戸市などでもお祭りが再開されたんです。

お祭りが再開されただけでコミュニティーの横の連携と力がすごく増しました。

つまり、大都市だからふるさと意識がないんじゃなくて、大都市だからこそ逆に、そこに住んでいるその環境の中での地域愛とか、あるいは人と人との結び付きとかということをより強く認識した対応が必要になるということなのではないか、このように思っております。

参考人(佐々木信夫君)

コンパクトシティーの話ですけれども、いろいろな都市的な皆さんで共通で使う機能をなるべく一か所に集めようと。

それは国交省だけではなくて総務省などもそういう考えを進めようとしていますが、せっかくこういう統治機構の話に絡む話ですので、高度経済成長期に人口が大都市に集中して、その受皿として郊外にたくさんベッドタウンを造りましたね。

これをニュータウンと言ったわけですが、名前だけイギリスから持ってきた。ここが実は今崩壊をして、大都市圏の郊外からだんだん崩れてくるという問題が一つあるということ。

実は、地方都市でも、ある程度は小都市でもいいんですが、新たな都心部にニュータウンを造ると、郊外にニュータウンを造るんじゃなくて、郊外に造ったのは日本の場合はベッドタウンでしたけれども、都心部にニュータウンを造ると、こういう新たなニュータウン政策として、人口減社会の、それをコンパクトシティーという必要はないとは思うんですが、ニュータウン造りと、そこにある程度総合的な機能を持って暮らしやすい都市ができていくと。

それは別に全部農村までそこに住めという必要はないんですが、そこから通っていただいてもいいとして、新たな人口減時代のニュータウン政策として、都心に、都心というのはこの大都市の都心ではなくて、地方のある程度コンパクトシティーと言われるような、該当するようなところにニュータウンと言われるようなものを、総合的な都市づくりをやっていく時代ではないかと。

実は、ベッドタウンがこれから大変皆さん大きい問題を、シルバータウンになりゴーストタウンになっていきますので、住民税が入らなく、さらに固定資産税が入らなくなっていって、郊外の名古屋も大阪も東京も大都市圏三十キロから五十キロ圏が大きく崩れてくると、こういう時代がもう一方では始まると。

これを地方創生の議論ではどういうふうにするのかなというテーマがもう一つございますね。

田中茂君

ありがとうございました。

日本に生まれ育ち、一生を過ごしたいと言える「誇りのもてる国」
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